小澤弘昌の私設民俗資料館
(静岡県清水町の灌漑用水を中心とした民俗と歴史)


徳川家康(1983年、NHK大河ドラマ)
原作 山岡荘八
脚本 小山内美江子
制作 澁谷康光
演出 大原誠、加藤郁夫、松本守正ほか
ビデオ情報 
解 説
 原作は山岡荘八の長編小説。従軍記者として太平洋戦争の悲惨さを目の当たりにした同氏の平和への願いが込められた、国民文学の名に相応しい名作。まさに日本版『戦争と平和』と言える。ドラマも、脚本の小山内美江子氏、演出の大原誠監督などの工夫により、原作の雰囲気が良く活かされた。まさに大河ドラマ史上最高の作品(私から見て)。これは澁谷康生プロデューサーの手腕が遺憾なく発揮された結果と言えよう。そのほかにも、織田信長役の役所広司が、このドラマでメジャーとなったのは有名な話。また、田中美佐子(徳姫)、奥田英二(松平)、このドラマ放映から一年も経たない内にスクールウオーズのイソップで有名となる高野浩和(家康の九男、徳川義直)、宅間伸(徳川信康)が出演していた。さらに、この当時は時代劇人気が低迷しており、この作品が大河ドラマで時代劇は最後といわれていた。しかし、この作品は見事に成功し、その成功が時代劇復活への道筋をつけた。その意味でも記念碑的作品と言える。

山岡荘八の願い
 家康は従来の戦争の達人という視点よりも、平和への求道者という視点で描かれている。そういった意味で史実とかけ離れた部分も正直言ってかなりある。しかし、そこには、戦時中、報道班員として特攻隊員などを報道しなければならなかった作者の山岡自身の平和への願いが込められており、戦争を知らない我々がとやかく言えない部分がある。私自身、家康は政治家としての家康は好きではないが、史実は史実で小説は小説なのだから、こういう描き方も良いと思う。そこに小説の小説たる所以があるのだから。

ドラマの時代区分
 のドラマで描かれる期間は家康の誕生以前の1541年から家康が亡くなるまでの76年間という非常に長い時代である。登場人物も今川義元や織田信秀などから徳川家光、土井利勝、板倉重昌(島原の乱の最初の幕府軍総帥)までと多彩である。ゆえに大きく時代もいくつかに区分できる。そこで、私は勝手に次のように区分した。
第1部 忍従無限編(第1〜8回)
 家康誕生前後から岡崎入場まで
第2部 戦国激闘編(第9〜25回)
 姉川の戦いから、三方が原の戦い、長篠の戦いを経て本能寺で信長が倒れるまで。
第3部 天下統一編(第26〜40回)
 決死の伊賀越えから、秀吉の天下統一を経て、関ヶ原の戦いで石田三成を破り、家康が天下の人心を掌握するまで。
第4部 泰平始動編(第41〜最終回)
 将軍就任から大阪の陣を経て大往生を遂げるまで。

今、この時代でドラマを作るとしたら
 今、この時代でドラマを作るとしたら、どういう構成にすれば良いだろうか?
最近のケースとしては昨年の「葵〜徳川三代」がある。石田三成を義の人として描いた点で
これはこれで良かったと思うが、まだもの足りない部分があり、「徳川家康」を超えることはできなかったという気がする。
 そこで私がプロデユーサーなら、どういう構成にするか書いてみたい。
主人公は家康と秀忠でも良いとして
敵役として石田三成に加え、真田幸村と伊達政宗を加える。
そして、この3人と家康・秀忠父子の対比を通して
なぜ、天下が徳川家の手に転がり込んだのかわかる構成とする。
 また講談で有名な真田十勇士などのエピソードも加え
娯楽性の高いものとする。
原作は田中芳樹氏、脚本は三谷幸喜氏か早坂暁氏、演出は大原誠氏が理想だ。
時代考証は脇田修氏、網野善彦氏、小和田哲男氏の3氏に私の恩師の芳井敬郎先生だ(本当は私もやりたい)。
 人物の性格付けは
石田三成については、基本的に高潔で政策力に優れている人物像として描く。
しかし人柄があまりにも純粋であるため
自分の政策能力に賭けてついてきた味方(島津など)も
怒らせ最後には味方にも敬遠されてしまう。
この人の悪いところは 司馬遼太郎氏も述べているように
主君秀吉と、その子秀頼に対する忠誠心で
周りが見えなくなり、秀吉のことを他人も自分と同じように尊敬していると思いこんでいるところだ。
人間としては立派だが政治家としてはあまりいただけない存在。
だからこそ
私はこの人が好きなのきだが。
 次に真田幸村は武田信玄の薫陶を受けた父昌幸、さらに上杉謙信の養子景勝や豊臣秀吉、
大谷吉継(幸村の義父)、石田三成と接し影響を受けるうちに
戦国武将の集大成ともいうべき存在となった人物。
ゆえに、行きがかり上平和社会の建設者となった家康と対決せざるを得なくなる存在。
 伊達政宗は信長以来、秀吉以上、家康は問題にならないくらいの
政策通。しかし、決断力に乏しいのに加え往生際が悪い。
この当時おそらく最高の政治的センスをもった人。
この人が天下を穫っていればなあ、と思わせる存在なのだが
頭が良すぎて、いざというとき逃げるのに加え、決断力がなさ過ぎる
ため天下を取り損ねた。
 対する家康父子は
 家康は、人の心の機微が非常にわかる人で戦争の達人。
しかし、恐ろしく保守的な人。
結果的に天下を取りえたのは
上記の3人と正反対のことをしたためと言えなくもない。
恐らく、この時代で最も運の強い人だろう。
 次に秀忠は温厚で真っ正直で
人を疑うことを知らず戦争も下手なのだが
戦場では全軍の先頭に立ち、負けても
責任は自分でとるタイプ。
恐らく自分を打ち負かした
真田親子の罪をゆるすよう家康に頼むぐらいのことはしたのではないか。
そういった点を家康は人が良すぎると怒りつつ
愛しいと思ったのではないだろうか。強烈な個性の初代の後は
こういう穏やかで素直な人がリーダーとして一番喜ばれるのだ。
なおかつ彼はスポーツマンで勇気がある。
ゆえに徳川幕府の総帥、ひいては平和社会の保護者
として人々の信頼を自然に得ていくタイプ。
こういった点を強調すれば、良いドラマが作れるのではないだろうか。
キャストは
家康(寺尾聡)、秀忠(長瀬智也)、石田三成(阿部寛)、真田幸村(渡部敦郎)、伊達政宗(渡辺謙)
といったところだろうか。

「徳川家康」の主な出演者
滝田栄(松平元信、元康、徳川家康)、加瀬悦孝(竹千代)、松田洋治(竹千代)
徳川家
近藤正臣(父、松平広忠)、大竹しのぶ(母、於大)、八千草薫(祖母、華陽院)、高橋惠子(広忠の側室、家康の育ての母、お久)、竹下景子(家康の初恋の人亀姫、秀忠の母お愛の方の2役)、池上季美子(正室、築山殿)、東てるみ(側室お万の方、2男秀康の母)、武原英子(側室茶阿の局、6男忠輝の生母)、上村香子(側室阿茶の局)、岩本多代(正室、朝日姫)勝野洋(3男秀忠、2代将軍)、宅麻伸(長男信康)、田中健(6男、松平忠輝)、島英二(秀忠の次男竹千代、後の3代将軍家光)、堀秀行(次男結城秀康)、富家規政(4男松平忠吉)、高野浩和(9男義直、尾張藩祖)、田中美佐子(信康の正室、徳姫)、田中好子(信康側室、あやめ)、白都真理(秀忠の正室、お江与)、阪本良介(秀康の長男、松平忠直)、橋本功(家康の義父、久松佐渡俊勝)、早坂文司(お久の父、松平乗正)、奥田瑛二(松平勝隆)、神山卓三(松平親俊)
北村和夫(家康の祖父、水野忠政)、村井国夫(家康の伯父、水野信元)、田代隆秀(信元の弟、水野信近)、森次晃嗣(広忠の義兄、戸田宣光)、石田えり
徳川軍団
江原真二郎(筆頭家老、石川数正)、長門裕之(重臣、本多作左衛門)、竜雷太(天海)、津川雅彦(重臣、大久保長安)、夏木陽介(大目付、柳生宗矩)、宮口精二(重臣、鳥居忠吉)、内藤武俊(老中、本多正信)、寺泉憲(大賀弥四郎)、河原さぶ(重臣、大久保忠俊)、小笠原良知(重臣、酒井雅楽助)、早川純一(重臣、石川安芸)、福田豊土(酒井忠次、筆頭家老、四天王)、高岡健二(本多平八郎忠勝、老中、四天王)、上条恒彦(鳥居強右衛門)、渡辺篤志(奥平信昌、京都所司代)、近藤洋介(奥平美作貞慶)、角野卓造(蜂屋半之丞)、加藤精三(渡辺半蔵)、本田博太郎(老中、本多正純)、下条アトム(山田八蔵)、樋浦勉(服部半蔵)、村田雄浩(岩松八弥)、国井正広(夏目正吉)、荒木茂(老中、四天王、榊原康政)、内田勝正(榊原康政壮年)、豊原功輔(老中、四天王、赤備え隊隊長、井伊直政)、平泉征(井伊直政壮年)、草見潤平(重臣、鳥居元忠)、川久保潔(鳥居元忠壮年)、橋爪淳(重臣、鳥居新太郎忠政)、中島久之(鳥居久五郎)、木村四郎(老中、土井利勝)、山口嘉三(重臣、本多平八郎忠豊)、村嶋修(重臣、本多平八郎忠高)、木之内みどり(本多忠高の妻、忠勝の母、小夜)、高津佳男(石川太郎左衛門)、金井大(医師、糟屋長閑)、大塚周夫(奥平の家老、夏目治貞)、山本亘(京都所司代、板倉勝重)、下塚誠(大目付、板倉重昌)、石井めぐみ(夏目治貞の娘、おふう)、左時枝(大賀弥四郎の妻、お粂)、織本順吉(重臣、大久保忠世)、坂西良太(老中、大久保忠隣)、宗方晴美(信康、義直の守り役、平岩親吉)、森塚敏(金地院崇伝)、佐藤和男(安藤重信)、加賀まりこ(大久保長安の側室、於こう)、高田敏江(石川数正の妻、加津)、門田俊一(大老、井伊直孝)、山本紀彦(金田与三左衛門)
織田家
役所広司(信長)、伊藤洋一(吉法師)、伊藤孝雄(信長の父、信秀)、藤真利子(お農、信長の正室)、戸浦六宏(平手中務、重臣、信長の守り役)、寺田農(重臣、織田四天王、明智光秀)、大山克己(重臣、織田四天王、柴田勝家)、竜崎勝(丹羽長秀、重臣、織田四天王)、勝部演之(林佐渡、重臣)、山本耕一(有楽、信長の弟)、新田昌玄(重臣、織田四天王、滝川一益)、大林丈史(農姫の従兄弟、光秀の重臣、明智左馬助光春)、加藤正之(信秀の弟、玄蕃)、入江正徳(尾張守護代、織田彦五郎)、土家歩(森蘭丸)、渥美国泰(堺代官、松井友閑)、和崎俊也(池田勝入)、増田順司(医師)、真野あづさ(お市の方)
豊臣家
武田鉄矢(秀吉)、 吉行和子(北政所)、夏目雅子(淀殿)、利重剛(秀頼)、鹿賀丈史(五奉行、石田三成)、若林豪(秀吉側近、真田幸村)、入川保則(参謀、黒田官兵衛)、久米明(秀頼の家老、片桐旦元)、有川博(大谷吉継、奉行、幸村の義父)、浜田光夫(宇喜多秀家、秀吉の猶子、五大老)、谷隼人(秀頼重臣、大野修理)、川津祐介(三成の重臣、島左近)、鈴木光枝(大政所)、嵯川哲朗(五大老、前田利家)、金内吉男(五奉行、浅野長政)、倉石功(福岡藩主、黒田長政)、伊吹吾郎(熊本藩主、加藤清正)、綿引勝彦(広島城主、福島正則)、森田順平(北政所の甥、浅野幸長)、氏家修(秀吉の養子、二世関白秀次)、堀内正美(秀吉の養子、小早川秀秋)、石浜朗(五奉行、長束正家)、堀勝之佑(五奉行、増田長盛)、青木義郎(秀吉側近、毛利勝永)、田崎潤(薩摩国主、島津義弘)、御木本伸介(五大老、毛利輝元)、福山象三(五奉行、前田玄以)、滝田祐介(安国寺恵瓊)、横井徹(五大老、上杉景勝)、岩下浩(小倉城主、細川忠興)、睦五朗(景勝の家老、直江兼続)、伊藤豪(佐治日向守)、神崎愛(三成の愛人、お袖)、大宮悌二(秀秋の重臣、平岡頼勝)、中野誠也(親衛隊長、速水甲斐)、外山高士(親衛隊長、伊東長季)、加納竜(秀頼の乳兄弟、木村重成)、稲野和子(利家の妻、お松)、伊藤高(五大老、前田利長)、佐久田修(利家の次男、前田利政)、真実一徳(秀次の側近、熊谷大膳)、城戸真亜子(秀次の側室、於宮)、櫻片孝雄(重臣、小西行長)、露原千草(老女筆頭、孝蔵主)、柳川慶子(淀殿の乳母、大蔵局)、奈良富士子(秀吉の側室、松の丸殿)、三浦真弓(淀殿の妹、お初)、内田捻(秀頼の重臣、片桐貞隆)、谷岡弘規(大野治房)、久富惟晴(渡辺内蔵助)、中井啓輔(参謀、蜂須賀小六)、谷口香(淀殿の側近、正栄尼)、溝口瞬亮(幸村の家臣、荒川熊蔵)、唐沢民賢(後藤又兵衛基次)、清水信一(秀家の家老、明石掃部)、山内雅人(生駒雅楽頭)、小川菜摘(侍女)、大久保正信(土佐国主、長曽我部盛親)
武田家
佐藤慶(信玄)、藤堂新二(勝頼)、井上昭文(重臣、赤装軍隊長、山県昌景)、生井健夫(重臣、穴山梅雪)、長沢大(重臣筆頭、馬場信春)、加藤和夫(重臣、木曽義昌)、津村鷹志(間者、減敬) 
今川家
成田三樹夫(義元)、林与一(氏真)、小林桂樹(家康の師、太原雪斎)、佐藤英夫(家康の義父、関口親永)、亀石征一郎(重臣、朝比奈備中守)
北条家
川辺久造(氏政)、三沢慎吾(氏直)
その他
石坂浩二(竹之内波太郎)、尾上達之助(伊達政宗)、井川比佐志(柳生宗矩の従兄弟、奥原信十郎)、紺野美沙子(木の実)、中山仁(京の商人、茶屋四郎次郎)、萬田久子(おみつ)、山内明(博多の商人、島井宗室)、大出俊(本阿弥光悦)、柴田光彦(近江の戦国大名、浅井長政)、福田勝洋(茶屋又四郎)、早川雄三(堺の商人、淀屋宗安)、佐竹明夫(関白、近衛前久)、三谷昇(伊勢の船頭、孫三)、小島三児(伊賀の土豪、孫四郎)、榎木兵衛(伊賀の土豪、関兵衛)、渡辺哲(一向宗の僧侶)
※このページは村田雄浩氏のファンサイト
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